2016年9月3日土曜日

活気を取り戻しつつあると噂の熱海で遅めの夏休み。コスパ最強の宿で復活の勢いを実感しました。

 8月最後の週末、仕事関係の研修で、熱海に行ってきました。一泊二日の研修に、自費でもう一泊足して、二泊三日の熱海旅行。近年、熱海の街が復活しつつある、という話はちらほらと耳にしてましたが、実際に行ってみて、想像してた以上に良かったので、また行くときのために、感想などをメモしておきます。



今、熱海が熱い!は本当か…?


 私にとっては熱海は全国でも有数の古くからある温泉地でありながら、バブル以降長らく凋落の一途を辿ってすっかり寂れてしまった街というイメージで、伊豆半島に遊びに行くときもドライブの途中でちょっと休憩する程度で、熱海を目的に遊びに行くことってなかったんですが、最近テレビなんかでも良く、熱海に活気が戻ってきている、という話題が上がってますよね。ちょっと調べても、結構、熱海復活に関する番組はたくさん出てきます。

 そういえば、ブラタモリ #27 熱海でも取り上げられてましたね。

 復活のきっかけは、ロケ地としての誘致に成功している(【1年で約2倍!】 なぜ今、熱海はロケ地に選ばれるのか | THE HUFFINGTON POST)とか、倒産した老舗旅館や企業の保養所のあとに旅館星野リゾートをはじめとする高級リゾートが続々進出している(熱海の街を復活させた!? 星野リゾート3世代獲得術 | 週刊ダイアモンド)、とか、色々言われていますが、とにもかくにも2012年以降、宿泊客数が回復傾向にあり、2015年には14年ぶりに300万人超えとV字復活を遂げ、リーマン・ショック以前の水準に戻ってきている(「熱海」の宿泊客が14年ぶりに300万人超え!V字回復の理由は? | IRORIO)ことは事実です。

 その結果、V字回復の熱海 深刻な働き手不足 | 静岡新聞という状況のようで、これはもう仕事に困ったら熱海に行くしかないな、という感じですね。実際に熱海を訪れてみて感じたのは、思った以上に観光客がいることと、外国人観光客の割合の多さでしょうか。とくにやはり、中国系の方が多かったように感じます。これは確かに、熱いです、熱海。

企業研修やサークルの合宿におすすめな伊豆山研修センター


 仕事の研修で利用したのが、ZENホールディングスグループの株式会社ユニホーが運営する伊豆山研修センターです。元々、資生堂の研修センターだった施設を、貸会議室や研修施設を運営するTKPが2009年に熱海研修センターとしてリニューアルし、更にその後、ユニホーが伊豆山研修センターとしてリニューアルした施設です。(これも、企業の研修施設が手放された痕跡ということでしょう。)さすが人気の熱海、不動産の投資物件としても、十分な流動性がありますね。



 270名まで入れる大研修室に、50名程度が入れる研修室が6室、ホワイトボードやプロジェクター、スクリーン、マイク、延長コードなど、研修に必要な設備が完備されています。さらに、フィールドアスレチックコースや25mプールなど、体を動かせる施設も充実!敷地内にハイキングコースもあるので、座学で頭を鍛えるだけでなく、大自然の中で身体を使ってリフレッシュもできます。

 そして何より、宿泊施設としても素晴らしい。全室バス・トイレ付きの全45室の和室は、6人でもそんなにきつくないくらいゆったりとした部屋で、夜の部屋飲みも捗ります。そして何より、海側の部屋からは熱海湾を望む見事な眺望が楽しめます。写真真ん中あたりに写っているのが初島で、肉眼だとバッチリ見えます。さらに、空気が澄んだ日は房総半島まで見えるとか。


 ちなみに、話がそれちゃいますが、初島の左下、白い建物の角に写っているちょっと出っ張った建物が、2016年8月末で閉館した水葉亭です。
と多くのニュースでも取り上げられ、熱海 水葉亭、2016年8月末閉館を惜しむ人たち | Togetterなど、ファンの方も多かったようで、まさに熱海の老舗名物旅館でした。閉館の理由については、水葉亭が8月末で閉館!女社長を巡る騒動と従業員との関係悪化が原因?など色々と言われてますが、伊豆山研修センターの食堂の職員さんに立ち話で聞いたところ、熱海ネット新聞にもあるように、"耐震補強に伴う巨額な工事費も一因となった"というのが真相のようです。そして、9月12日には早くも、《経済》 熱海の水葉亭を取得 大江戸温泉物語 | 中日新聞と、大江戸温泉物語による買収が発表されてます。このことにも、"全国で日帰り入浴施設などを手掛ける企業のもとで団体客路線から個人客に特化するなどしてリニューアルされるとの情報が広まっていた。最終局面で交渉が決裂した"と触れている熱海ネット新聞、いい仕事してますね。それにしてもここにも、老舗旅館から大手リゾート施設への世代交代が。熱海の新陳代謝は、着実に進んでますね。

 で、話を元に戻して、伊豆山研修センターの宿泊施設の良さは、客室だけではなくて、100人以上の宴会も可能な大型レストランがまた、施設自体はリニューアルしてて綺麗なんですが、なんとも昭和な感じで、なんかほっこりします。夕食も美味しかったですよ。

 そして、極めつけは、宿泊棟の屋上。広々とした屋上ウッドデッキガーデンと、開放感満点の源泉掛け流し露天風呂があります。


 開放感ありすぎで気持ちいい風が通るウッドデッキ。なんとここでは、バーベキューも楽しめるとか。これは堪らないですね。早起きして源泉掛け流しの露天風呂で朝風呂を楽しんだ後、早朝の澄んだ空気で涼むのが最高にリラックスできました。そして、何より、熱海湾を一望する露天風呂。伊豆山研修センターにはもう一つ、20人くらい同時に湯船に入っても大丈夫なくらいの屋内大浴場もあるんですが、正直、この絶景露天風呂に比べると、霞んでしまいます。


 少し深めに肩まで湯船に浸かると、あっという間に熱海湾に繋がるインフィニティプールの完成です。少し湯船が分かりにくいので別角度でもう一枚。


 いやはや、これは贅沢。仕事で研修に来て、こんな極楽で良いのだろうかと思っちゃいますが、そこは、研修を頑張ったご褒美ってことで。しかも、24時間入れます。一日の終わりは、星空を眺めながら湯船に浸かりましょう。屋根がないので、明かりを消せば、湯船から満点の星空を楽しめます。そして、頑張って日の出の時間帯を狙って早起きして、熱海湾に差し込むご来光を拝みながらの早朝露天風呂も楽しみましょう。心も身体も最高のリフレッシュになりますよ。恐るべし、屋上源泉掛け流し露天風呂。(風呂あがりに、すぐ隣のウッドデッキにビアサーバー持ってきて、そのままキンキンに冷えた生ビールが飲めたら最高かも…)

 というわけで実に良い研修施設でした。これで2名1室利用で1泊2食ついて10000円は相当お得な気がします。実は、伊豆山研修センターという名前にはなってますが、別に研修せずに宿泊だけの利用もできるそうなので、熱海観光の拠点としてもいいですね。

 最大270名宿泊可能と、施設自体結構大きいので、よほど大きな団体さんが入らない限りは、割りと空いてるのではないかと思います。ちなみに私が宿泊した時は、某大手予備校の夏季講習の仕上げ合宿だったみたいで、80人くらいの学生さんがすごい勢いで勉強してました。最終日だったみたいで、宿泊がかぶらなくて良かった。
 るるぶトラベルやトラベルコちゃん、楽天トラベルなどの大手旅行サイトからの予約はできず、伊豆山研修センターのホームページと電話からのみ予約を受け付けているので、知る人ぞ知る穴場なんだとか。チェックインやチェックアウトなどに多少の制限はありそうですが、頼朝・政子腰掛け石があり国内屈指の縁結びのパワースポットとして知られる伊豆山神社にもほど近いので、女子旅やカップル旅行の宿泊にも使えますね。ほんと、おすすめです。


なんとなく海外旅行気分が味わえるカオサン熱海温泉旅館&ホステル


 一泊二日の研修を終えて、二泊目は、カオサン熱海温泉旅館&ホステルに泊まりました。実は、熱海まで行くのであれば、せっかくなのでもう一泊して帰ろうと思い立ったのが、一週間前。早速に旅行サイトで探してみたのですが、何故か、一室も空室がない…。で、なんとなく諦めきれず、しばらく色々な宿泊サイトを検索して見てると、キャンセルが出たのか数日後に一室だけ空きがでたのがこのカオサン熱海温泉旅館&ホステルでした。しかも、空いていたのは、男女混合4人ドミトリーという相部屋形式の部屋でした。ホステルに泊まったことがなかったので、ちょっとためらったのですが、この際何事も経験だ、と思い予約完了。

 予約した後で、宿泊者のレビューや口コミなんかを調べてみると、意外にも好評だったので、少し安心しました。詳細なレビューは、熱海ゲストハウス「カオサン」オーシャンビュー温泉やっべー | 健康じゃーなが参考になりました。このブログ読んでなかったら、予約キャンセルしてたかも…。結果的には、このブログを参考に泊まって良かったです。


 カオサン熱海温泉旅館&ホステルになる前は、NHKの保養所だったそうで、建物は結構広くて立派な割に、フロントが小さい謎が解けました。ちなみに、ここのオープンも、【経済】ホステル「カオサン」熱海進出 1泊朝食付き3800円~ と取り上げている、熱海ネット新聞は有能ですね。熱海の発展とともに、PV伸びそうですね。

 気になるお部屋は、事前に入手した情報通り、簡単な仕切りで区切られた4名1室のお部屋でした。


 ちなみにこの日の他の宿泊客は、50代後半くらいのおじさん、30代前半の某大手アパレルチェーン店員の女性、つい先日20歳になったばかりという飲食店アルバイトの女性、という組み合わせでした。挨拶程度に話しましたが、アパレル店員の人は北海道から夏休みを利用して一週間ほど東京近辺を旅行予定で初日に熱海に来て次は渋谷の友人に会いに行く途中、飲食店アルバイトの人は八王子に住んでてお母さんと一泊二日で熱海旅行、とのこと。色んな人とちょっとずつ触れ合えるのもいいですね。おじさんは、食堂で居合わせた別室の人と朝まで飲んでいたそうで、ほとんど話しできませんでした。60代を目前にしてこのバイタリティ、すごいです。

 気になる温泉も、十分な広さ。ここのお風呂も夜と朝、2回入りましたが、特に朝は一人だけの貸し切り状態で、なかなか贅沢に入浴できました。


 そして、湯上がりの人間をダメにする快適すぎる休憩室。これまた熱海湾を一望できるクーラーの効いた部屋で、ビーズクッションでゴロゴロしながら身体を冷ます。伊豆山研修センターとはまた違ったタイプのリフレッシュですね。癒やされました。


 ちなみに、カオサン熱海温泉旅館&ホステルに自販機はあるのですが、アルコール類は売ってません。フロントが開いてるうちは熱海の地ビールが買えますが、最終チェックイン時間の21時以降はビールは買えなくなってしまうので、予め到着前にコンビニ等で調達しておいて共用の冷蔵庫で冷やしておくと、湯上がりの一杯が楽しめます。

 噂のお祭りをテーマとしたダイニングルーム。これは確かに、外国人受けしそうです。


 共有スペースは、お子さん連れのご家族にも使いやすい感じになってます。


 ちなみに、宿泊客の半分くらいは、海外からの旅行者でした。あと、受付も、日本語が達者なタイ人の子でした。気さくに話してくれて、日本に旅行に来てとても気に入ったので、しばらく働きながらいることにしたと。熱海のおすすめのお店なども教えてくれて、熱海愛が伝わってきましたよ。

 行きは熱海駅から上り坂を徒歩10分と少し遠いですが、8月最終週の週末で一泊素泊まり4500円なので、結構ありだと思います。何より、同室の宿泊客もそうですし、外国人旅行者もそうですが、宿泊客同士でちょっとしたふれあいがあるのがいいですね。(そういうのが苦手な人には、ここはおすすめできないかもですが…) スタッフも外国人が多いので、片言の英語でなんとかコミュニケーションとれますよ。なかなかいい経験ができました。というわけで、ここも、コスパを考えるとなかなかおすすめです。

ご予約はこちらから → カオサン熱海温泉旅館&ホステル | 楽天トラベル

熱海で仕事するならここ!コワーキングスペース naedoco (ナエドコ)


 そもそもなんで熱海でもう一泊しようと思ったかというと、少し一人で考え事をする時間も欲しかったから。最初は、カオサン熱海温泉旅館&ホステルのダメ人間スペースこと休憩室か共用スペースでチェックアウトまで粘って、その後はどこかカフェでも入って仕事しようかと思っていたのですが、調べてみるとなんとあるではないですか、熱海のコワーキングスペース naedoco(ナエドコ)。割りと最近オープンした模様です。


 一階の佐藤油店(ホームページも昭和のレトロなテイストです)というお土産物屋さんから入って、建物の中の階段を上がった二階にあるので、ちゃんと看板を見つけないと、ちょっと迷ってしまうかもしれません。(私は、お土産物屋さんのある一角を二周くらいしました…)


 ちなみに、この佐藤油店、地酒や地ビールもおいてあるので、お土産物をゲットするのにも便利です。二階に上がる途中の踊り場がまた純和風な作りでグッド。


 中は広々としてて、しかも他のお客さんも2〜3人しか居なかったので、こちらもほぼ貸し切り状態で利用できました。結局、三日目は10時くらいから18時まで、がっつりここで集中して考え事をしてましたが、実に快適に過ごすことができました。



 料金も最大9時間居られて1日1000円と良心的。スタッフの方もお昼時には近くの飲食店を紹介してくれたり、とても親切で好感が持てました。


 自宅で作業するよりも集中できて電源もWiFiも取れるので、最近は仕事するときにコワーキングスペースを使うことが結構多く、熱海にも仕事場にできるスペースがあるのは嬉しい限り。しかもこのnaedocoはオーシャンビューではないですが、海まで徒歩1分。煮詰まった時は、気分転換に海を見ながら散歩もできます。

 東京駅からも1時間ちょっとで行けるので、少し集中して作業したい週末は、一泊二日で熱海でプチ合宿はありですね。初日10時くらいには熱海に移動して、naedocoでがっつり仕事。疲れたら海を見ながら休憩。夜と朝は温泉でゆっくり身体を休めて、二日目もがっつり仕事。二日目18時くらいに熱海駅前の平和通り商店街で熱海の美味しいものを食べながらビールの一杯でも飲んで軽く打ち上げ、20時の新幹線に乗れば、余裕で22時くらいには帰宅できるという。これは仕事が捗りそうです。naedocoはぜひまた使いたいです。


おまけ:熱海観光


 せっかくなので、もちろん合間合間を縫って、軽く熱海観光もできました。実は行くまで全然気がついてなかったのですが、二日目の夜が、花火業者も日本一の打ち上げ会場と絶賛する熱海海上花火大会の2016年夏シーズンの最後の打ち上げ日でした。佐藤油店の店員さんから、"熱海の花火は、花火の爆発音がすぐ後ろの山で跳ね返ってくるので、他の花火大会に比べて音の迫力がすごい!"と聞きましたが、まさに大迫力。偶然とは言え、ばっちり風物詩を楽しむことができました。今シーズンは全然花火は見に行けてなかったので、夏の最後に最高に夏らしい風情を感じることができて良かったです。



 花火を見終わってから、宿に移動している最中に、宿を探した時に一室も空いてなかったのは、これが理由だったことに気付きました。むしろよく、カオサン熱海温泉旅館&ホステルが取れたなと。ラッキーでしたね。

金色夜叉でおなじみ貫一お宮の像、遊泳シーズン最終日のサンビーチ、河原湯などベタな観光ももちろん行ってきましたよ。




 坂の街としても熱海も魅力ありますし、こういう昭和レトロな雰囲気も色濃く残ってるのも熱海の魅力ですね。



 そんな中でも、ちょっとおしゃれな街に生まれ変わろうとしている部分もあって、熱海銀座にはまさに干物屋さんや土産物屋さんのお隣に、先ほどのコワーキングスペース naedoco をはじめ、ゲストハウス MARUYA や、 熱海のゆるベジ・お茶カフェ CAFE RoCA など、新しいスポットもできつつあります。これぞまさしくレトロとモダンの融合。人気が回復するのもわかりますね。




 熱海の復活の勢いを感じますね。こういうのをきっかけに、若い人たちがもっと集まってくると良いですね。ちなみに、naedoco も MARUYA も CAFE RoCA もそれぞれ徒歩1分くらいの範囲にあるので、naedoco でがっつり仕事したいときは、MARUYA に泊まってみると、余計な移動がなくて良いでしょう。

ご予約はこちらから → ゲストハウス MARUYA | 楽天トラベル
 

まとめ


 思いの外、熱海の魅力と復活の勢いに触れることができた二泊三日でした。伊豆山研修センターもカオサン熱海温泉旅館&ホステルも、恐らくコスパ最強クラスに満足度の高い宿なので、ぜひ、社員研修や開発合宿などで使ってみてください。私もこれから、熱海でのプチ合宿が増えそうです。というわけで、熱海の勢いは本物でした!


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