2016年5月5日木曜日

美味しいと評判のカレーを食べに、バカ尾根を登って丹沢山の山頂を目指す

 ゴールデンウィーク中、一日くらいは遊びに行かねばと思い立って、百名山の一つ、丹沢山に登ってきました。大倉から塔ノ岳を経由して、丹沢山を狙う日帰りコース。今回のお目当てはずばり、丹沢山の山頂にあるみやま山荘の名物、カレーだったのですが、残念ながら今回は食べることができませんでした…。しかし、山桜が咲き誇るいい季節で、気持よく登ってこれました。



一日の登山計画


 丹沢山は標高差があり、思ったより時間がかかった印象で、大倉のバス停から塔ノ岳を経由して丹沢山を目指すコースで、丸一日楽しめました。午前中は、曇りがちでもやがかかってましたが、午後からはすっきり晴れて、見事な景色も楽しめましたよ。

  • 0730 大倉バス停到着 → 軽く朝食をとって、登山計画書を提出
  • 0800 どんぐりハウス出発 → 塔ノ岳コース経由で登山
  • 1110 塔ノ岳到着 → しばし休憩。めちゃくちゃ風が強かった…。しかし、ここはあくまで通過点
  • 1130 塔ノ岳出発 → まだまだ遠くに見える丹沢山に向けて出発
  • 1230 丹沢山到着 → 昼休憩。ビールで乾杯して、少しだけ昼寝してすっきり
  • 1320 丹沢山出発 → この頃から随分雲が晴れて、視界が開けてくる
  • 1430 塔ノ岳到着 → 3時間前と打って変わって、見事な眺望が楽しめました
  • 1450 塔ノ岳出発 → 本格的に下山開始
  • 1740 大倉到着 → 戻ってきた頃には足が棒になりそうでした…
  • 1830 鶴巻温泉到着 → 山に登った後はやっぱり温泉だよねってことで、弘法の里湯で疲れを癒やし、夕食も楽しむ

 連休ということもあって、今回もグループで登山している人が多かったですね。登ってる途中は、30分から1時間に一回くらいは山小屋があり休憩できるので、非常に安心なルートという印象です。


登山ルート


 今回選んだ塔ノ岳コースは、大倉のバス停からまっすぐに塔ノ岳を目指すコースで、通称「バカ尾根」と呼ばれている大倉尾根を、ただただひたすら登ります。アップダウンがほぼなく、ひたすらアップアップという感じなので、適宜休憩を取らないとあっという間に足に来ちゃいます。個人的には途中何度も、なるほどこれが嶺と呼ばれるものか、とはっきり分かる登山道に出くわしたのも、新鮮でした。


 まずは出発地点の大倉のバス停とどんぐりハウス。登山計画書を記入して、いざ登山開始です。15分置きの運行にもかかわらず、連休だからかバスは乗りきれないほどの人がいました。


 これぞ、尾根。両側が開けた道が多かった気がします。


 また秋に来ると見事な紅葉を拝めそうなもみじの木。この季節の青々とした葉っぱもまた良いですね。


 ただひたすらまっすぐ、上を上を目指します。バカ尾根って名前がつくのも頷ける。


 丸三時間かけて登った午前中の塔ノ岳山頂。とにかく風が強くて、めちゃくちゃ寒かったです。中央にうっすら、富士山が見えてます。


 塔ノ岳から一時間かけて辿り着いた、丹沢山山頂。これまた立て札のど真ん中に富士山がぼんやりと見えてます。


 午後は、午前と打って変わって雲が晴れ、見事な眺望が楽しめました。富士山はもとより、南側をみると、相模湾から真鶴半島のあたりまでくっきり分かります。


 山頂付近は、ちょうど山桜の花の盛りで、景色に文字通り華を添えてました。いい季節です。


 下山中の眺望。上りの時は曇ってて全く分かりませんでしたが、下りははっきりと正面に相模湾から真鶴半島あたりが見えてます。(写真だと少しわかりにくいですが…。)


勝手な見どころベスト5


個人的なダイジェストをまとめると、以下の5つでしょうか。

みやま山荘のカレー


今回1番楽しみにしていたのが、このみやま山荘のカレーでした。なんで気になっていたかというと、あることに気付いたのです。それは、「丹沢山」で検索しようとすると、「丹沢山 カレー」が検索候補に出てきます。



で、気になって検索してみると、結構多くの方が、丹沢山の山頂で食べるみやま山荘のカレーを絶賛してるのです。
Twitterでも結構ツイートされてます。




 確かに前回、筑波山に登ったときもカツカレー食べましたが、山頂で食べるカレーはただでさえ格別なのに、それがこだわりカレーとなれば、それは美味しいに違いない、と思って楽しみにして登ったんです。塔ノ岳を過ぎてからは、完全に頭のなかではカレーのことしか考えてなかったです。しかし、いざみやま山荘に着いてみると、おかみさんから意外な一言が。

"ごめんね〜。連休中は、宿泊のお客さんが多くて、昼はやってないのよ〜。"

 むーん、なんて落とし穴。確かに登山のハイシーズン。登山客も多かったので、それは十分に考慮に入れておくべき事象でした…。残念。それでもカレーが食べたかったので、結局どうしたかというと、みやま山荘の売店で売っていた、カップヌードルカレーに落ち着きました。


 これはこれで美味しいよ、うん。山頂で食べるカップヌードルも最高ですよ。ビールもあるし。これはしかし、いつかリベンジしたいなぁ。

 ちなみに、隣で昼食とっていた3人組は、そんな事態を予め予想してたのか、シチューをその場で作ってました。山頂でシチュー。あまり考えたことなかったですが、これは確かに美味しそう。

丹沢山には一等三角点がある


 もう一つ、個人的に面白かったのが一等三角点。全国に約1000点あると言われる一等三角点ですが、一等というからにはそれなりにアピールしてあるのかと思ったら、丹沢山の山頂に本当にひっそりと設置されていました。正直に言って、地味です。これは知ってないと見逃すなー。ぜひ、もっとアピールして欲しいですね。



野生の鹿に遭遇


丹沢山地一体はニホンジカが生息していて、駆除が必要なほどに増えているそうです。登山道にもいたるところに植生保護のための柵が設置されていて、こんな看板も多数設置されています。



鹿が多いんだろうなぁ、とは思ってましたが、出くわしました、野生の鹿に。だからどうしたと言われるとそれまでですが、なんか得した気分です。植物や農作物の食害で悪者にされがちな鹿ですが、生で見ると可愛いもので、しばらく眺めてほっこりさせてもらいました。


山小屋の味のあるホームページ


丹沢山を塔ノ岳コースで登る場合、30分から1時間置きに山荘があって、安心して登山を楽しめる環境が整ってます。そこで重要なのが情報発信。みやま山荘カレー食べ損ね事件(そこまで大げさではないですが…)も、ホームページに「連休中のカレーはお休みさせていただきます」と書いてあるだけで、こちらとしても対策が取れたのです…。というわけで、それぞれの山小屋がどんなホームページを作ってるのか気になって調べてみると、なかなか山荘ごとに味のある作りになってて、個性が光ります。せっかくなので、上りに通過する順番にホームページを紹介します。

  • 見晴茶屋 … fc2ブログで運営。更新も年に2~3回程度みたいでもう少し頑張って欲しいところ。所在地/料金・メニュー/設備・スタッフなどの見たい情報へのメニューがややわかりにくいのが少し残念です。
  • 駒止茶屋 … ホームページなし?
  • 堀山の家 … なんとも懐かしい手作り感のあるホームページ。山小屋の基本的な情報もご案内ページに纏められていて、更新頻度もまずまずです。掲示板は閉鎖中の模様。独自ドメインで運用しているあたりもやる気を感じます。
  • 花立山荘 … こちらも独自ドメインで運用してます。今風のレイアウトで一番見やすい。「花立山荘とは」「アクセス」「登山道」「料金」「イベント」「問い合わせ」としっかりメニューが配置され、必要な情報にたどり着きやすいです。あとはスタッフ紹介のページがあれば、完璧でしょう。
  • 尊仏山荘 …  こちらも懐かしい手作り感のあるホームページですが、「山小屋について」「登山道について」「近況をお知らせ」と必要なメニューは分かりやすく配置されています。写真や図がふんだんに使われているので、利用にあたってのイメージがつきやすい印象です。
  • みやま山荘 … かつて一世を風靡した懐かしのフレームレイアウト。メニューがしっかり設けてありますが、12もあって少し情報が分散しているように見えるので、もう少し絞ったほうが良いかもしれません。掲示板もあって、更新頻度もまずまずですが、全体的にやや情報密度が薄い印象。惜しい。
個性が反映されていると思うので、のんびり登山で宿泊を考えている方は、各山小屋のホームページもしっかりチェックしてみてください。

丹沢山の山神社


 大倉のバス停を出発して、わずか3分。気になる看板を発見しました。



 当初の登山計画に組み込んでなかったのと、出発時点ですでに30分くらい時間が押していたので、行きは気にしなかったのですが、帰りに少し余裕ができたので、どうしても気になって、無事の下山を報告しに、お参りしてきました。


 ものすごく雰囲気のある参道に多少びびりながら歩くこと5分、こじんまりとした山神社がありました。


 ここを抜けて塔ノ岳の登山コースに出ることもできそうなので、最初にこっちを通れば良かったです。行きも他の登山者は全くのスルーだったし、「丹沢山 山神社」で検索しても、それっぽい情報はないので、あれだけの登山者がありながら、全くのマイナースポットのようです。これから丹沢山に登る方には、ぜひ登山の安全祈願にお参りして欲しいですね。

登山のあとは、鶴巻温泉にある弘法の里湯で癒される


 登山のあとは、温泉で疲れを癒やし、ビールで水分補給せねば、ということで、今回も立ち寄ってきました。候補は、東海大学駅近くの秦野天然温泉さざんかと、鶴巻温泉駅近くの弘法の里湯の2つあったんですが、迷った挙句、東京の奥座敷として有名な鶴巻温泉の弘法の里湯にしました。


 しかし流石はゴールデンウィーク、考えることは皆同じで、登山帰りのお客さんで溢れてました…。洗い場を使うのに、だいたい5人くらいの渋滞が発生していて10分くらいは待たされるので、休日の2時間で1000円というシステムだと、ちょっと焦りますね。


 温泉自体は、露天風呂の秦野市第一号泉と内湯のつるまき千の湯の2つの源泉があり、日本有数のカルシウム含有量を誇る名湯だけあって、登山後の疲れた体に染み渡ります。秦野市の市営温泉だそうですが、広々とした内湯や趣のある露天風呂はもちろん、食事処や休憩室、マッサージも受けられて、きちんと観光施設として作ってあって、2時間目一杯楽しめました。

 そば処「鶴寿庵」は30分以上待ちとのことで、風呂あがりは2階の大広間で休憩。120畳ある大広間は、同じく湯上がりの登山客で賑わってました。


 売店のメニューも豊富で、モツ煮とチャーハンで結構盛り上がっちゃいました。おそらくは両方ともレンジでチン方式ですが、こういう時は空腹が最高の調味料というやつで、とてもおいしく感じるものですね。


 丹沢山の登山で疲れ、鶴巻温泉の湯上がりの身体に、生ビールが染み渡ります。

まとめ


思った以上の標高差で、登って降りてくるまでまるまる9時間半かかりましたが、それだけに登り応えのある登山が楽しめました。新宿からわずか1時間と少しで、登山も温泉も楽しめるなんて最高です。さすがにこれだけロケーションが良いと、思った以上に登山客が多くて行き帰りのバスは乗れないんじゃないかと思うくらい混んでて、温泉も芋洗い状態でしたが、それはそれで連休中の登山っぽくて楽しかったです。さて、次はどこに行こう?



Related Posts Plugin for WordPress, Blogger...

この記事が面白かったらシェアお願いします